習近平、党外からの鋭い批判を受け入れると講話す |
習近平は、6日、党外人士との迎春会の席上、「民主による(中共)の監察を強める」と発言したという。
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习近平要“尖锐批评”会否引蛇出洞?
その講話は以下のようなものであったらしい。
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共産党は、
“要容得下尖锐批评,做到有则改之、无则加勉;
党外人士は、
“要敢于讲真话,敢于讲逆耳之言,真实反映群众心声,做到知无不言、言无不尽。”
拙訳
共産党は、「鋭い批判を受け入れるべきだ。誤りがあるなら改め、なければそのような誤りを犯さぬ戒めとする、をなすべきだ。」
党外人士は、「あえて本当のことを話し、あえて耳に痛いことも言うべきだ。大衆の心の声をそのまま反映し、知って言わざるなし、言うならとことん言う、べきだ。」
有则改之、无则加勉は、<論語・学而篇>の引用で、
知无不言、言无不尽は、宋・蘇洵<論衡・遠慮>からの引用である。
こういう教養をひけらかすのは毛沢東がよく用いた手である。とくに相手が文化人、知識人相手にはよく効く一手である。
6日の党外人士との迎春会
しかし、この記事の作者は別の方面から習近平を毛と比較している。
それは1957年の<人民日報>上に掲載された、「中国共産党中央委员会関于整風運動的指示」のなかにも、
在整风运动中,应实行“知无不言,言无不尽;言者无罪,闻者足戒;有则改之,无则加勉”的原则,
(整風運動においては、“知无不言,言无不尽;、言ったものに罪は無く、聞く者は戒めとなし、有则改之,无则加勉”的の原則を実行すべきである。)
と今回の習の用語とまったく同じ文言があったのである。これがかの有名な「百家争鳴、百花斉放」略して「大鳴大放」の号令であった。
この中共の号令を信じて発言し、党を批判した民主派、知識人などが後に粛清された。これが「反右派運動」である。
これが有名な毛沢東の「陽謀」というもので、蛇を穴からおびき出して撃つ、という政策であった。
記者は、習も毛の顰に倣って同様な「陽謀」を行おうとしているのではないか?としているが、私見ではそうではない。
わたしの考えでは、ここにいう「鋭い批判」は腐敗分子とその象徴である江沢民とその残党に向けるよう党がリードし、そして近く行われる薄熙來裁判への環境づくりをしようというものであろう。そして中共の腐敗問題をすべて薄熙來とその後ろ盾である江沢民にお仕着せ、そして裁判で暗に江沢民問題にも決着をつけるという政治日程である。
そしてその上で国家主席の地位に就こうと習は考えているのだ。
まさに智謀知略のある政治家であるといわねばなるまい。