胡德平が台湾を訪問 |
胡燿邦の息子である胡德平については、わたしのブログでは何回か触れてきたが、まだご存知のない方は、以下の記事やフォルダの旧記事を参考にして欲しい。
<習近平>
<シナ政局>
その胡德平がこっそり台湾を訪問していたことが台湾の国民党系の『聨合報』の報道で分かった。
それによると、胡德平は自由観光の名義で10月19日から28日まで滞在し、国民党名誉主席の連戦や吳伯雄などと会見し、また台湾を一周して各地の著名な仏教指導者と会い、さらに商工界のリーダーたちともあって台湾の民主化の経験と社会文化の理解につとめたという。
さらに、友人を介して自著を馬英九総統に進呈したそうである。
時期中共の党と国家の指導者・習近平と最近二度会見したことが伝えられている胡德平が今この時期に台湾を訪れたことについて、華人社会では、中共から国民党へ何かの重要なメッセージが発せられたと受け止めているようである。
BBCシナ語版では、习近平--必须改变中国的人
((習近平・すべからく中国を改変すべき人)という記事で習近平が政権掌握後にシナの政治改革を実行することへの期待を表明している。
また、法輪功系の新唐人TVも胡德平の訪台を『聨合報』を引用して紹介し、さらに習近平による政治改革へ期待を示しながらも、それは難しかろうとの評論員の判断で記事をしめくくった。
それにしても、日本の媒体は習近平を江沢民と近い保守派という見方を止めないが、それとはまったく真逆の評価がシナと海外華人社会ではかたまりつつあるのだが、日本のいわゆるシナ関係の有識者はそれにつきどう考えているのだろうか?
習近平が権力掌握後、さらなる強力な反日政策・戦略を取るかどうかは、彼がどれほど強力な権力を握ることが出来るかにかかっていよう。
もし十年来の胡錦濤のように、<チャイナ・ナイン>とよばれた政治局常務委員会の「集団指導」により江沢民利権派の束縛をうけ、結局は思い通りの政治経済運営を、とくに政治改革を実行できなかった。(と、民主改革派の人々は考える)
それは胡錦濤が鄧小平に指名された江沢民の後継者であり、「皇太子」だった期間、腰をまげて唯々諾々と江沢民の機嫌をとったその結果であった。
つまりパワー不足だったのである。
毛沢東、鄧小平といった指導者は、自ら軍を率いて内戦を勝ち抜き建国したゆえに「一言堂(鶴の一声)」という独裁統治をなすことができた。
その権力を利用して国を導こうとしたその方向はまったく異なっていたが握った権力は権威に裏付けられていたことが同様だった。
江沢民以来の指導者にはその権威が欠けている。戦争指導経験がないからだ。
もし、習近平が自分が握った権力に権威の裏づけを与えようとして何かの冒険にでることは大いに考えられる。
それが台湾への軍事侵略ではなく、いわゆる平和「統一」だとすれば、今回の胡德平の訪台はそれへの地ならしであった、と後世確認されるかもしれない。
もしそうだとすれば、わが尖閣諸島への「王手飛車取り」が実際に発生するかもしれない。
台湾の馬総統も、中共のわが尖閣諸島への野心が日本のみならず台湾侵略に関しても地政学的および軍事戦略上の一手と知ってか知らずかそれなりの警戒感を見せていないのも、そのあたりの水面下での国共両党の共同謀議の存在を知らしめている。
石油資源云々に気をとられていると、国共両党による思わぬ足すくいに遭うかもしれない。安倍総理におかれては政権交代後はくれぐれも注意して欲しいものである。