少なくとも習近平の政治的地位は安定か? |
未だ「失踪」中の中共次期最高指導者・習近平であるが、その後継地位が安泰であることを暗示するニュースがあった。
<博迅>が伝える
がそれである。
9月12日の(国営通信社である)中新網伝では、老紅軍・黄栄が6日、102歳で死亡し、
「胡锦涛、习近平、李源潮、朱镕基、李兆焯,通过各种形式对黄荣同志的逝世表示哀悼并向其亲属表示深切慰问。」(胡錦濤,習近平,朱镕基、李兆焯が各種の形式を通じて黄栄同志の逝去に対し哀悼を表しあわせてその親族にむかって深い慰問を表した。)
とある。
なぜ6日に死亡した老幹部への哀悼表示が今になって「報道」されるのか?
黄栄は長老とはいえ広西自治区の指導者であり中央指導の経験はなく、おそらく一般のシナ人諸君にもなじみがなかろう。
この報道の真意は、胡錦濤の名前の後に習近平の名を連ね、その後継地位に変化が無いことを知らしむるところにある。
しかも哀悼表示は、「各種の形式を通じて」とあるから「病室から弔電をうった」のかも知れないことを、あるいはそういう可能性もあることを匂わせている。
一方、<Deutsce Welle>(ドイツの波)シナ語版は、
习近平身体健康,地位稳固
と、香港の<陽光事務週刊>を引用して、習近平は健康であり地位も安定している、と伝えている。
記事によると、
「从习近平亲属处及其他途径获悉,习近平身体健康,确定主导大局,正忙于筹备十八大和谋划推动政治体制改革工作。」(習近平の親族およびその他のソースによると、習近平は健康であり、大局全体の状況を判断している、今正に18回党大会の準備に忙しく、政治体制改革を推進するための工作を計画中である。)
だそうである。
「失踪」以前、習近平が胡耀邦の息子である胡徳平と会見して政治体制改革の必要性を述べた云々が、ちょうどその「失踪」前後に報道されていた。
<陽光事務週刊>は再度この件を提起して習近平が権力を移譲されたのちに胡耀邦がめざして果たせなかった政治改革をする意志があることを暗示している。
何度もふれたことがあるが、
習近平の父・習仲勛は、胡耀邦が失脚させられる際、中央で一人たってその不平を鳴らした人物である。息子である胡徳平はもちろん胡耀邦の家族だけではなく心あるシナ人諸君は皆その経緯を知っているし、習近平に期待をかけるその心理の背景には父・習仲勛と胡耀邦がめざした政治改革への渇望があるのである。
今、習近平が胡耀邦の息子である胡徳平とあって云々とはまさにその民意への応えである。
というのは、胡徳平は、いまや党内民主改革派の中心人物であるからだ。
わたしはかって以下のように書いた。
「今が最期のチャンスである。胡錦濤がいっそうの努力を重ね古い時代と人馬を一掃し、その師である胡耀邦が目指した政治改革を進捗させうる体制を習近平に引き継ぎ、シナをして、われわれとハラを割って話せる国情にして欲しいものだ。」(「胡耀邦を偲ぶ」)
どうやら事はそのように進捗しているようである。
<Deutsce Welle>(ドイツの波)シナ語版は、同じく「失踪」していた賀国強の動性を伝えている。
“失踪”多日的贺国强央视露面
これによると、
央视在9月12日的新闻联播节目中,播放了中共中央政治局常委、中纪委书记贺国强视察中国纪检监察系统的画面(中央TVが9月12日のニュース放送で、中共中央政治局常務委員、中央規律委員会書記の賀国強が中国規律検査観察関係を視察した画面を流した)
そうである。しかしその画面がその日に録画されたもので過去のものではないことが確認されたわけではない。ある種の時間稼ぎかもしれない。
北京五輪以上の厳戒態勢、それはもう戒厳状態といってよいほどの軍事管制がひかれているという北京でいったい何が進捗中なのかはすべてブラックボックスの中にある。
10月から11月に延期された18回党大会がはたして開催されるのか、あるいは延期されるのか、それによって権力闘争の結果があきらかになるのは間違いない。
(注)よろしければ、わたしの過去記事を以下のフォルダーで再読してみてください♪
<シナ政局>
<習近平>