ウディ・アレン<Midnight in Paris >その2 |
真夜中の夢想のような20年代のパリでギルがであうアドリアーナは、じつに魅力的な表情としぐさである、しかもわざとらしさがない。
しかも俗物の婚約者アイネスとはちがって、ギルの文学論を理解し、ギルの言葉遣いを詩的とも言ってくれるのだ。まあ、理想的な恋人像であろうか?
夢の中では何でもあり、こんな女性に会うのもギルの夢想なのかもしれない、と思わせておいて、ウッデイ・アレンは周到にリアリティも用意している。
それは現実にもどったギルが、セーヌ河畔に古本屋でアドリアーナの日記をみつけ、その中にギルを愛していること、そしてピアスの贈り物をもらえたら素敵だろう、という記述を見て、その夜、ちゃんと贈り物をもって過去にもどりアドリアーナを射止める、というのだが、しかしこれはどうも出来すぎている。
そして真夜中の散歩中に19世紀にタイム・トリップするのだが、それはギルではなくアドリアーナの憧憬する時代なのだ、つまりは夢の中の登場人物の夢の中へ滑り込むということか?
このあたりの夢と過去へ憧憬、理想の女性との道行きなどなどこの映画のもっとも美味しいところであろう♪
<つづく>(たぶん・・・♪)