日本人に愛なんてわかるの?≪海角七号≫ |
●わたしは、去年ある台湾人に薦められ、ダウンロードをしてまず見た。PCの画面でもその良さはわかった。今回、DVDの台湾版を取り寄せて再度見た。そして今度は始めから終わりまで、はからずも涙にくれてしまった。
●タイトルの≪海角七号≫とは台湾南部恒春の旧番地である。「号」は「番地」。
●物語は二人の友子をめぐって展開する。一人は台湾人、もう一人は日本人である。
●台湾人・友子は海角七号に住んでいる。その彼女に宛てて書かれ、そして発信さることがなかった日本人教師の手紙がある。
●日本人・友子は台湾でコーディネーターとして働いている。台湾人社会にはいささかうんざりしている。
●台北での夢に敗れ故郷・恒春に帰ったロッカー男・阿嘉は日々鬱屈している。不慮の事故で怪我をした老郵便配達夫に代わって郵便配達をすることになった。しかし・・・
●彼が古い手紙を友子にとどける事になるのだが、さて・・・
●日本人・友子はあまり台湾国語が上手ではないし台湾語はできない。しかし台湾南部の開けっぴろげな人々の中で自我を開放する。
●台湾南部の風光、潮騒、夕陽。
●中(あたり)孝介という日本人歌手のコンサートが恒春で行われることになった。そのコーディネートの仕事を友子は引き受ける。
●日本と台湾のあいだの二つのラヴ・ストーリー。ひとつは古く、もうひとつは新しい。シノプシスはまさにキッチュである、がしかし物語の力がそのキッチュを感動に変容させる。
●「日本人に愛なんてわかるの?」とはある脇役の日本語での台詞である。どんなシーンで語られるか注目してほしい。わたしにはこの一句がこの映画の表徴に感ぜられた。
●そうなのだ、これは台湾から発せられた日本へのラヴ・コールなのである。そして多くの台湾人がこの映画を支持している現実を知ろう。
●さて日本人はその愛を「わかる」のだろうか?
●いよいよ日本公開されるそうである。ぜひご覧いただきたい。