Ganz groß einsteigen, ドイツ紙が伝える安倍NATO演説 |
NZZをはじめ有力ドイツ語紙のオン・ライン版が、ほとんど安倍総理のNATO演説をスルーしたので、そんなはずはないと、今日ぺ-パー版のFAZ(Frankfurter Allgemeine Zeitung)を買って読んで見ました。
ありましたね、「Ganz groß einsteigen」(非常に大きな関与)と題する記事が。
「日本の安倍総理の最初のブリュッセル・NATO本部の訪問は、二重の意味で高い象徴的価値を有した。」
つまり、安倍総理は就任数ヶ月にしてわが国の重みを外交上より強く主張しようとしたこと。そしてNATOにとっては、その拡大するグローバルな役割について更なる確認であったこと。つまり双方にとって意味のあることだと好意的に評価をしています。
そして安倍演説については、
「ひとつのはっきりとしたメッセージを含んでいた。日本にとっては彼の訪問より、NATOとの「ひとつの新しい協力の段階」が始まる。すなわち定期的な政治協議と国際的な危機管理オペレーションと人道的介入の際に密接で実際的な協力をなすべきである。」
「例とすれば北朝鮮の核兵器とミサイル・テストに関する日本の総理とNATO事務局長の緊急政治協議である。」
「実際協力については、安部はアフガニスタンにおけるNATO管理下の「地域再建チーム」(PRTs)と日本の所管事務方との密接なコンタクトを予告した。」
「またG8の枠組みのなかで、日本は調整された役割、すなわちアフガン民兵の解散、武装解除、再編成を受けもつ。」
「日本はすでに最初のアフガニスタン援助会議を組織し、一年前のパキスタン地震被災者への国際的支援活動においては派遣されたNATO部隊と共同活動を行った。」
と、もうすでにある日本とNATOの協力関係と、さらなる将来の関係強化に言及しています。
「三月には、東京でマーテイン・エルドマンNATO副事務局長が政治的要件と安全保障政策につき協議にはいる。この協議により、将来の協力分野につき最初の理解が得られるはずである。」
さても三月のその協議が期待されるところです。
「あるNATO外交官は言う、日本は、「Ganz groß einsteigen」(非常に大きな関与)を準備していることを公けにした、と。」
どうも日本の踏み出した一歩を歓迎しているようです。安倍外交、Well Done!
しかし、このような日本による、NATOの昨年11月の「リガ宣言」を受けてのNATOへのアプローチを苦々しく、あるいは戦々恐々と見ているのがシナでしょう。いやただ指を銜えて見ているほどシナは阿呆ではありません。
「たぶん偶然であろうが、安倍訪問の三日前にハイ・レベルのシナ訪問団がNATO本部を訪れた。」
「北京もまた数年来ゆるい非公式の接触を、ブリュッセルの外交筋によりおこなってきた。」
「火曜日、シナ外交部欧州総監リー・ルイイウは6人の代表による訪問を予告した。」
と報告しています。
まさかそれが偶然のはずはありません。かってユーゴ・スラビアのシナ大使館がNATOの爆撃をうけたほど、シナはNATOのいわば「敵側」の位置に立っています。
今回の安倍総理のNATO訪問が、「リガ宣言」を受けての極東へのNATO拡大であり、シナ包囲網であることを身にしみて知るシナが、なんとか日本とNATOの関係強化に楔を打ち込みたい意志がにじみ出ています。
敵を分裂させるのは、シナの統一戦線の常套手段です。
日米の緊密な軍事同盟関係をなんとか挑発離間させようと、やっきになって南京事件を映画化して、世界中で特に米国で大いに日本の「旧悪」を宣伝しようとしています。同じような手段が日欧間でも為されるかもしれません。警戒を高めましょう。
我国は、まずパートナーとしてNATOとの緊密な協力関係を樹立し、さらに自国の防衛体制を名実共に正常化し、将来の日欧集団安全保障体制確立に道を通じていくべきでしょう。
それは、シナの戦争準備が整う前に、是非実現させねばなりません。時間との競争です。
それにしても見事なのは安倍外交です。総理就任早々にシナを訪れ、とぎれていたシナとの首脳会談を実現させ、しかし国益になることはシナの顔色を見ることなくやってのける。それどころか、シナを仮想敵とする日欧集団安全保障にさえ一歩を進めました。
天晴れじゃありませんか、ねえ?