「中国」とは国なのか? 下 |
二篇目は、『博士の独り言』への投稿です。ご存知のような博士への言論妨害のため、博士のブログが損傷されてしまったため、日付けが不明になってしまいましたが、内容から九月中、自民総裁選以前であることは確かです。
以下引用です。
博士ご指摘のとおり、中国はいわゆる国家ではありません。わが国はいち早く18世紀以来の欧米式の近代国家、「国民国家」(Nation State)の形成に成功しましたから、その国家観に照らして隣国もそうであると思いがちですが、まったくの誤りです。国民国家の柱は、国民と国語の形成、義務教育の完備、国境の確定と国民皆兵による国防軍等等ですが、わが明治国家は立派にそれを果たしていました。
隣邦では、中華民国がそれを目指しながらも、内に巣くった共産党との武力闘争に敗北し、国民国家形成を果たさず、台湾へと逃げ出し、そこにあった日本による基礎工事を受け継ぐ形で国民国家を普請中です。願わくば、台湾人自身の手で完成されむことを。
さて、大陸では中華人民共和国成立後の数年間を除き、権力闘争、政治運動に明け暮れ、ついには文革という一大内乱により国家崩壊の危機に瀕しました。そして「改革開放」という名の、チャイナ・マーケット・カードを囮にした外資と海外先進技術の導入という悪魔的狡猾な一手により、資本蓄積と技術開発の手間を省く経済改革、その実は資本主義経済の確立による危機回避を図ったのでした。
しかし、ご存知のとおり、いまや表向きは「経済大国」と自称しながらも、内実は今回ご指摘のとおり義務教育の不備、国民意識もかろうじて反日教育により繋ぎ止め、軍隊も国軍ではなく共産党の私兵、国境線も(領土拡大のため故意に)不確定と、国民国家の体をまったく成していません。この「国」は、共産党という最大の軍閥が武力で奪取した旧中華民国の領土をいま尚武力で統治し、人民を搾取し続けているだけの、軍閥国家に過ぎません。共産党に国民国家の形成を目指すつもりはどうもなく、自己の統治に都合のいい中華帝国へと先祖がえりを目指しているようです。まさにわが国への最大の脅威です。
わが国は、戦後の占領政策によって砕かれた背骨、自立した国防の権利を回復し、この敵性隣国の帝国主義にそなえるべきでしょう。時間はあまりありません、次期政権に大いに期待するところです。
大変長々と失礼しました。博士の健闘を祈ります。
上の「軍 隊も国軍ではなく共産党の私兵」にご注目を。中共により台湾に駆逐され、台湾を不法に占領し続ける「中華民国」側では、中共を称して「共匪」と呼びます。 共産党匪賊の意です。
この匪賊については、張藝謀の映画『紅高粱』に具象的な描写がありますから参考になさるといいと思います。(但し、日本軍の「蛮行」に捏造があることにご注意)
また、高島俊男氏に『中国の大盗賊』という著書があり、講談社現代新書に収められています。シナの匪賊と王朝交代について非 常に解りやすい解説を提出されておられます。是非ご一読を。
つ いでに言えば、高島氏は他の場所で、「中国」とシナについての明確な定義もされています。上記新書においては出版社の都合によるものか「中国」を使用され ておられますが、氏は公開の言論の場で「中国」のかわりに「シナ」を使用される言論人のお一人です。他には、呉智英氏、兵頭二十八氏がいらっしゃいます。 各氏におかれては、「中国」という呼称を、わが国にだけ強要するシナの政治目的と歴史的欺瞞性をはっきり見抜かれてのことと愚考します。「閉ざされた言語空間」の中での勇気ある言論活動に敬意を表します。